介護福祉士試験を受けようと思います。
シフト制の勤務だし体力的にも大変なので、なるべく効率的に勉強を始めたいのですが、どうすればいいですか?
いい質問ですね!
試験勉強は、最初が肝心です。
現役で試験対策講座をしているわたしが、
効率的な勉強法について解説していきますね。
結論を先に言ってしまうと、介護福祉士は、効率的に勉強すればそこまで難しい試験ではありません。
最後まで読んで、ぜひ参考にしてください。
- 介護福祉士試験の効率的な勉強方法
- 目標得点の設定の仕方
- 自分の得意科目・不得意科目の見分け方
最も効率的な勉強法
介護福祉士試験の初回(第1回)の合格率は、なんとたったの23.2%でした。
その後、20年ほどは、30%後半~60%前半を行ったりきたり。
そこに大きな変化があったのが、平成28年度から受験資格に加わった「実務者研修」です。
平成28年度はおいつきませんでしたが、それ以降の平成29年度から急激に合格率が70%前後に上がっています。
この数字からもわかるように、以前は独学で頑張る人も多かったようです。
実務者研修修了が要件となってからというもの、研修で土台となる基礎知識をつけることができるようになりました。
つまり、実務者研修をしっかりと活用するのが効率的な勉強法です。
\実務者研修の受講講座一覧はこちら/
効率的な勉強方法
- 実務者研修は、受験する年の10月頃までに修了する
- 最初に過去問題1年分に挑戦する
- 自分の得意・不得意の科目を明らかにする
- 目標得点を決める
- 試験対策:過去問を中心に自分の得意分野を伸ばす
試験の仕組みや難易度については、以下の記事で説明していますので、先に読んでください!
では、最速で効率的な勉強法についてお伝えしていきます。
①実務者研修は、受験する年の10月頃までに修了する
まずは、受験するために必要な受験資格である「実務者研修」を修了させてください。
受験資格なので、絶対です。
受験する年度の12月末までに修了させておく必要がありますが、その後の勉強を考えると遅くとも10月までに修了しておくのが望ましいです。
実務者研修はいつでも受講をスタートできますが、早すぎず遅すぎずのタイミングでスケジュールを立てましょう。
- 3か月で短期集中したい人は、10月頃まで
- 6か月コツコツ勉強したい人は、7月頃まで
このくらいを目途に計画を立ててみてください!
ポイントは、実務者研修で学んだことをそのまま筆記試験の知識に活用するということです。
実務者研修は、科目ごとに受講者が理解できているかを確認しながら評価していく講座がほとんど。
修了試験のようなものはありません。
試験がないから、決められたカリキュラムをただこなすという考えではダメです。
試験対策の一つとして捉えて、実務者研修を受講してください。
②最初に過去問題1年分に挑戦する
土台となる知識を身につけたら、次に過去問1年分に挑戦してください。
13科目11科目群、125点満点中、何点取れるのかを確認していきます。
最も理想なのは、午前午後、実際の試験時間に合わせて解いてみてください。
実際の試験のように解いてみることで、以下のメリットがあります。
- 自分の現在地が把握できる
- 集中力が確認できる
- 自分の得意・不得意分野がわかる
1つずつ見ていきましょう。
自分の現在地がわかる
これは、介護福祉士試験に限らず、他の試験でも必ずといっていいほど言われていることです。
本番の試験を1回通しで解くことで、その時点での自分の実力がわかります。
合格ラインを超えているのか、いないのか。
超えているのならどの程度なのか。
超えていないのなら、あと何点得点を伸ばす必要があるのか。
時間は足りたのか、足りなかったのか。
過去問を解くことで、様々な分析ができ、自分の実力を数字で把握することができます。
数字で把握するというのがポイントです。
「だいたいわかるな…」とか「こんな感じね…」などという主観的なものではなく、
紛れもなく、その点数が、そのときのあなたの実力です。
集中力が確認できる
学生のときは、定期的に試験を受ける機会がありました。
しかし、社会人になって仕事が中心の生活になると、なかなかそのような機会も減っているのではないでしょうか。
そうすると、試験時間の110分間集中し続けることが苦痛になります。
介護の仕事は、普段現場では体を動かしていることが多いので、座って集中して試験を解くということからかけ離れているからです。
脳がすごく疲れます。
午後は、眠くなります。
もちろん、喫煙する方はタバコも吸えません。
自分の集中力がどのくらい持続できるのか、確認しましょう。
自分の得意・不得意分野がわかる
総合得点だけでなく、科目ごとの何点取れたか分かれば、当然、自分の得意な分野・不得意な分野がわかります。
実務者研修で一通り知識をつけた後でもあるので、できなかったところは知識として身についていないとも言えます。
どこの科目が弱いのかだけでなく、どこの科目が強いのかもわかれば、
どこで点数を取るかなど合格までのイメージが具体的になり、効率的な勉強法③自分の得意・不得意の科目を明らかにするにつながります。
過去の試験問題及び解答については、「公益財団法人社会福祉試験・振興センター」のホームページに掲載されています。
実際の試験問題の文字の大きさなど、本番に近い状態で試験を解くのがおすすめです。
ただし、解説はありませんので、その後の解説まで確認したい方は過去問題集の購入してくださいね。
③自分の得意・不得意の科目を明らかにする
②で過去問を解いた結果をもとに、自分の得意・不得意の科目を明らかにしていきます。
具体的には、以下の手順で進めていきます。
- 科目別に得点を出す
- 科目群別に得点を出す
- 領域別に得点を出す
- 午前・午後の得点状況を確認する
1つずつ見ていきましょう
科目別に得点を出す
まずは、ここからですね。
13科目のどこで何点取ることが出来たのかを出します。
科目群別に得点を出す
次に、11科目群別の得点を出します。
ポイントは、試験科目は13科目ですが、合格基準は11科目群の得点状況になるということです。
合格基準の科目群で得点を出したときに、すべての科目群で得点できていたかを確認します。
領域別に得点を出す
合格に近づくための目標を立てるために、次は、領域別の得点を確認します。
自分の得意・不得意をみるためです。
ここで点数が取れていた領域は、得意分野といえるので、とことん点数が取れるように強化をする分野として整理します。
「人間と社会」・・・制度に関する問題が得意
「介護」・・・介護技術に関する問題が得意
「こころとからだ」・・・利用者の身体や疾病に関する問題が得意
こういったかんじです。
自分が実際に働いている現場に近い分野は、経験値からも点数を取れる可能性が高いです。
自分の職場の状況もふまえて、自分が点数を取れるところを伸ばせるようにします。
午前・午後の得点状況を確認する
最後に午前・午後の得点状況を確認しましょう。
上でも触れましたが、自分の集中力が得点に影響するかの確認です。
午前のほうが集中できる人と午後のほうが集中できる人。
試験後半になると集中力が切れる人。
人それぞれ。
得意なところでちゃんと得点がとれるように、影響の有無を確認をしておきましょう。
④目標点数を決める
1年分の試験受けてみると、様々な角度から分析をすることができます。
そのうえで、目標点数を決めます。
目標を立てるときのポイントは、以下のとおりです。
目標を立てる上でのポイント
- 目標は65%程度の得点ができるよう立てる
- 目標は常に確認できるようにしておく
具体的に見ていきましょう。
目標は65%程度の得点ができるように立てる
まず、合格基準を確認しましょう。
- 総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点
- 「11の科目群」すべてに得点すること
実際に、過去5年間の合格ライン(得点)をまとめました。
合格基準に示されている60%だったのは、第33回だけですね。
「程度」という文言があるので、その年の試験の難易度(難しさ)で合格ラインが上下します。
過去5年だけみると、大きな差はないようですが、過去10年を見てみると、最低68点・最高77点とかなりバラツキがあります。
1点、2点で不合格にならないために、目標を少し高めの65%=81点に設定するといいです。
まずは、すべての科目群で65%の得点を取れるように計算します。
その次に、自分の現在地(点数)との差を確認してください。
将来的に介護福祉士として働くのですから、全科目をまんべんなく知識をつけることが理想ですが、ここはあくまでも効率的に合格に近づくための目標設定です。
極端な話をすると、11科目群で最低1点取ればいいので、あとは得意科目で苦手科目をカバーしながら、81点取れるように調整すればいいのです。
あとは、自分の職場環境や、得意分野の目標得点をあげるなどの調整をして、目標得点を設定してください。
具体的に目標を立てると、「あと○点取るためにどの科目を集中的に勉強しよう」と先が見えやすくなりますし、どこから勉強をすればいいのか、わかりやすくなります。
実は、これだけで精神的にもかなり楽になるんです。
目標は常に確認できるようにしておく
目標設定シートで目標点数を決めたら、常に確認できるようにしてください。
常に確認できる環境にしておくことで、潜在意識へアプローチしていきます。
もっとも効果的なのは、第三者に公言すること。
恥ずかしいかもしれませんが、一生続くものではありません。
周りのサポートも得られやすくなりますし、公言することで、自分の覚悟も決まります。
自分だけで勉強していると、つい自分に甘えが出てしまいます。
落ちたらまた来年受ければいいや・・・
この甘えは、ずるずる行きがちなので、強い気持ちを持てるように目標を常に確認できるようにしておきましょう。
⑤試験対策:過去問を中心に自分の得意分野を伸ばす
いよいよ試験勉強を始めます。
何度も言いますが、実務者研修で一通り試験範囲は学習していますので、研修で学んだ知識を試験対策に応用することを残りの期間(3~6か月)でするというイメージです。
試験対策のポイントは以下のとおりです。
試験対策のポイント
- 実施した過去問の解答解説を一通り確認する
- 自分の解答状況を整理する
- 自分の得意分野から優先的に、テキストで知識を深める
- 過去問3年分も同じように繰り返し、知識をつける
具体的に見ていきます。
実施した試験の解答解説を一通り確認する
まずは、実際に受けてみた試験の解答解説を一通り確認します。
解説については、複数年分の過去問解説集が出版社から出ていますので購入するか、今では出版社が運営しているホームページなどで解説を確認することもできます。
自分の解答状況を整理する
次に、自分の解答状況を整理してください。
介護福祉士試験は、マークシート式です。
ようは、明確に回答を選んでも、何となく回答を選んでも、番号さえ正しく選べていれば○なのです。
まずは、大きく3つに分類します。
- 正解だったもの(明確に選んで正解したもの)
- なんとなく正解したが解説まではできない、たまたま正解したもの
- 不正解だったもの
これをさらに、分解していきます。
明確にその答えを選択し、正解したのか、間違ったのか。
いくつか答えを絞るところまではできたのか。
そのうえで、正解だったのか、間違ったのか。
たまたまその答えを選択し、正解したのか、間違ったのか。
このように、自分の解答を整理してください。
明確に答えがわかっていて、正解したもの。
これについては、もう忘れてOK。
自分の知識として、しっかりと定着しているからです。
この後、過去問を何度繰り返すことがあったとしても、ここは飛ばしてOKです。
そこに時間を使うだけムダです。
確実にこれだと思って間違っていた問題は記憶を修正する必要がありますね。
間違っていた記憶を修正する作業に入ってください。
番外編:必ず答えを1つ選ぶクセをつける
わたしが生徒さんに必ずお伝えすることです。
わからなくても練習の段階から答えを必ず選ぶクセをつけるようにしましょう。
答えをどこまで絞ることができたのか。
たとえ1/2、1/3・・・1/5の確率でも、答えを選ぶ運を身につけてほしいのです。
たまたま当たったとしても、○は○。
正解に色はありません。
正解を引きつける運を練習のときから磨きましょう。
自分の得意分野から優先的に、テキストで知識を深める
ここまで自分の状態を整理できたら、あとは「目標設定シート」を参考に、自分の得意分野から優先的にテキストで知識を深めてください。
過去問3年分も同じように繰り返し、知識をつける
試験対策となると、とにかく問題の数をこなしたほうがいいと思いがちですが、そんなことはありません。
過去3年分を中心に何度も繰り返してください。
何度も繰り返す中で、たまたま正解だったものを明確に答えを選べるレベルに上げていきます。
最終的に、すべてが「明確に正解を選べる」ようにまで行くことができればOKです。
自分との向き合いが、合格に繋がる
ここでは、介護福祉士試験に合格するための効率的な勉強法をご紹介しました。
「自分とどう向き合えるか」
この向き合い方で、現状をしっかり分析でき、合格に向けた道筋を作ることができます。
自分としっかり向き合って、合格までの最短の勉強方法を確立していきましょう。