介護福祉士試験の難易度は?合格率・合格ライン・勉強時間を解説
- 介護福祉士国家試験の難易度と合格基準
- 合格に向けた勉強時間と勉強方法
- ほかの介護・福祉系資格との違い
介護福祉士は、介護分野の国家資格です。
資格を取得することで、専門的な知識や技術を身につけていることを示すことができ、キャリアアップにもつながります。
しかし、これから資格取得を目指す方にとって、国家試験がどのくらい難しいのか、どのくらい勉強すればよいのかは気になるところでしょう。
この記事では、介護福祉士国家試験の難易度を、合格基準や合格率、必要な勉強時間など、さまざまな角度から解説します。
介護福祉士って?
介護福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく国家資格です。
専門的な知識と技術をもって、身体上または精神上の障害により日常生活を送ることが難しい人の介護や、その人と介護者に対する介護に関する指導などを行います。
「介護士」という言葉は、介護の仕事をする人を広く指す場合に使われますが、「介護福祉士」は法律で定められた資格の名称です。
介護福祉士になるには、所定の資格取得要件を満たし、資格登録を行う必要があります。
介護福祉士試験の難易度
介護福祉士試験の仕組みや難易度について、説明していきます。
受験するには条件がある資格(受験資格)
現行制度では、主に4つの資格取得ルートがあります。
- 養成施設ルート
- 実務経験ルート
- 福祉系高校ルート
- EPAルート

介護福祉士国家試験は、誰でも受験できる試験ではありません。
受験するためには、所定の受験資格を満たす必要があります。
資格取得ルートには、主に「養成施設ルート」「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「EPAルート」があります。
例えば、介護の仕事をしながら資格取得を目指す実務経験ルートでは、原則として3年以上の実務経験と実務者研修の修了が必要です。
また、養成施設ルートには卒業年度に応じた経過措置があり、資格取得や登録継続の条件が異なります。
自分がどのルートに該当するのか、受験前に確認しておきましょう。
筆記試験の難易度
介護福祉士国家試験は、125問の筆記試験です。
出題形式は、5つの選択肢から正しいものなどを選ぶ五肢択一形式を基本としています。
試験は午前と午後に分かれており、合計3時間40分です。
第38回試験からは、試験科目がA・B・Cの3パートに分けられました。
出題範囲は広く、介護の専門知識だけでなく、社会保障制度、認知症、障害、こころとからだのしくみなど、さまざまな分野から出題されます。
そのため、普段の介護業務で経験していることだけでなく、制度や専門知識についても勉強しておく必要があります。
| No. | 試験科目 | 出題数 |
|---|---|---|
|
Aパート|午前
105分・60問
|
||
| 01 | 人間の尊厳と自立 | 2問 |
| 02 | 介護の基本 | 10問 |
| 03 | 社会の理解 | 12問 |
| 04 | 人間関係とコミュニケーション | 4問 |
| 05 | コミュニケーション技術 | 6問 |
| 06 | 生活支援技術 | 26問 |
|
Bパート|午後
45問
|
||
| 07 | こころとからだのしくみ | 12問 |
| 08 | 発達と老化の理解 | 8問 |
| 09 | 認知症の理解 | 10問 |
| 10 | 障害の理解 | 10問 |
| 11 | 医療的ケア | 5問 |
|
Cパート|午後
20問
|
||
| 12 | 介護過程 | 8問 |
| 13 | 総合問題 | 12問 |
| 合計 | 125問 | |
※パート合格による一部受験の場合は、 試験時間が異なります。
出典: 社会福祉振興・試験センター 「第39回介護福祉士国家試験」
合格ラインは?
介護福祉士国家試験の合格基準は、総得点の60%程度を基準として、問題の難易度によって補正されます。
また、総得点だけでなく、11試験科目群すべてで得点することも必要です。
例えば、得意科目で高得点を取っていても、0点の科目群があれば、総得点だけでは合格できません。
第38回試験の合格基準点は、125点満点中64点でした。
合格基準点は毎年変わるため、勉強するときは基準点ぎりぎりではなく、少し余裕を持った目標を立てることが大切です。
第34回〜第38回 介護福祉士国家試験の合格基準点
棒グラフ=合格基準点(125点満点)/ 折れ線=得点率
| 回 | 合格基準点 | 得点率 |
|---|---|---|
| 第34回 | 78点 | 62.4% |
| 第35回 | 75点 | 60.0% |
| 第36回 | 67点 | 53.6% |
| 第37回 | 70点 | 56.0% |
| 第38回 | 64点 | 51.2% |
※第34回〜第38回の「合格基準及び正答について」をもとに作成しています。
パート別合格制度とは?
第38回介護福祉士国家試験から、パート別合格制度が導入されました。
これは、試験全体で合格できなかった場合でも、A・B・Cの各パートについて合否を判定する仕組みです。
パートごとの合格基準点以上を取り、そのパートを構成する試験科目群すべてで得点していれば、パート合格となります。
合格したパートは、翌年と翌々年の試験で受験を免除できます。
第39回試験からは、合格済みのパートを免除して、不合格だったパートのみを受験することもできます。
ただし、初めて受験する人は、原則として全パートを受験します。
この制度は、試験が簡単になったという意味ではありません。
従来の全体合格に加えて、再受験時に一部の科目の学習負担を軽減できる仕組みです。
実技試験は廃止されました
以前の介護福祉士国家試験では、受験資格によって実技試験が必要な場合がありました。
しかし、第37回試験から実技試験は廃止され、現在は筆記試験のみとなっています。
なお、福祉系高校の一部の資格取得ルートでは、資格登録までに「介護過程Ⅲ」の修了が必要な場合があります。
自分の受験資格や登録に必要な条件は、試験センターの公式案内で確認しましょう。
介護福祉士国家試験の合格に必要な勉強時間
介護福祉士国家試験に合格するために、何時間勉強すればよいのでしょうか。
実は、合格するために必要な勉強時間について、決まった基準はありません。
実務経験や実務者研修で身につけた知識、これまでの学習経験などによって、必要な時間は異なります。
このサイトでは、合格に向けた学習時間の目安として、250時間を提案しています。
例えば、1日2時間勉強すると約4か月、1日3時間なら約3か月で250時間に到達します。
ただし、時間をかけること自体が目的ではありません。
過去問を解いて自分の得意・不得意を確認し、必要な分野を重点的に勉強することが大切です。
仕事をしながら受験する方も、自分の生活に合わせて学習時間を確保していきましょう。
受験生の実体験|勉強で大変だったところ
実際受験生を教える中で、大変だと感じているところを紹介します。
この記事を読んでいるあなたが知りたいのは、ここですよね。
チャレンジしたいけど、無駄になったらどうしよう…
途中で挫折したらどうしよう…
他の受験生がどこでつまづきそうだったのか、勉強の大変さを3つのポイントに絞ってお伝えします。
①スケジュールの管理
介護福祉士試験の筆記試験は、12科目と範囲が広く、試験は年に1回しか実施されないため、スケジュール管理が大変です。
計画を立てず、ただやみくもに勉強をスタートしてしまうと途中で挫折します。
スタートするときは、誰もが一番やる気がある時期。
でも、実際はやればやるほど混乱しやすい試験でもあります。
混乱せず、1番効率的に学習を進めるためには、通信講座などの外部機関(第三者)の力を借りることです。
3~6か月の期間で、しっかりとカリキュラムにそって勉強を進められるようになっています。
②体調管理
上でも触れましたが、試験は年1回しか実施されません。
また、実施は毎年1月末の日曜日となっています。
介護の現場で仕事をしている人はよくわかりますが、この時期は感染症が拡大しやすいです。
シフト制の勤務をしている人は、試験の日に向けて集中力を高められるよう管理も必要です。
試験中眠くなったりしないように、体内時計の管理もしましょう。
介護福祉士国家試験の合格率は?
介護福祉士国家試験の合格率は、年度によって異なります。
過去5年間の合格率を見ると、70~80%台で推移しています。
第35回は84.3%と高い合格率でしたが、最新の第38回では70.1%となりました。
| 試験回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第34回 | 83,082人 | 60,099人 | 72.3% |
| 第35回 | 79,151人 | 66,711人 | 84.3% |
| 第36回 | 74,595人 | 61,747人 | 82.8% |
| 第37回 | 75,387人 | 58,992人 | 78.3% |
| 第38回 | 78,469人 | 54,987人 | 70.1% |
出典: 厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験 合格発表について」
過去5年間では、最も合格率が高かった第35回と、最も低かった第38回で14.2ポイントの差がありました。
ただし、介護福祉士国家試験は、一定の受験資格を満たした人が受ける試験です。
合格率が高いからといって、勉強しなくても合格できるわけではありません。
出題範囲を把握し、過去問を中心に計画的に勉強することが大切です。
介護福祉士は働きながらでも合格を目指せる国家資格
介護福祉士は国家資格ですが、働きながらでも合格を目指すことができます。
第38回介護福祉士国家試験の合格率は70.1%でした。
ただし、介護福祉士国家試験は、一定の受験資格を満たした人が受験する試験です。そのため、合格率が高いからといって、簡単に合格できるわけではありません。
一方で、実務者研修で学んだ知識や、日々の介護経験を試験対策に活かせることは大きな強みです。
大切なのは、やみくもに勉強するのではなく、自分の得意・不得意を把握して、計画的に学習することです。
- ✓ 介護現場での経験を学習に活かせる
- ✓ 実務者研修で学んだ知識を活用できる
- ✓ 過去問で得意・不得意を把握し、 重点的に対策できる
出典: 厚生労働省 「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」
介護福祉士国家試験の合格に必要な勉強時間は、人によって異なります。
このサイトでは、250時間を一つの目安として、過去問を中心にした学習方法を紹介しています。
今の自分にどれくらいの知識があるのかを確認し、苦手な分野を少しずつ克服していくことで、合格に近づけます。
国家資格だからといって、最初から難しいと決めつける必要はありません。
これまでの経験を活かし、自分に合った学習計画を立てて挑戦してみましょう。
実務者研修で学んだ知識を試験対策に活かそう
実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受験する場合は、原則として実務者研修の修了が必要です。
実務者研修は、介護の専門的な知識と技術を身につけるための研修で、標準の研修時間は450時間です。
ただし、すでに修了している研修によっては、一部の科目が免除される場合があります。
実務者研修で学ぶ内容には、介護福祉士国家試験の出題範囲と重なる部分も多くあります。
そのため、研修で学んだ知識を復習しながら、過去問に取り組むことをおすすめします。
なお、実務者研修には通学が必要な科目があるため、通信学習だけで修了することはできません。
仕事をしながら受講する場合は、研修の日程や通学回数を確認し、早めに計画を立てておきましょう。
実務者研修を終えたら、過去問演習を中心に、苦手科目を重点的に復習していきましょう。
\実務者研修の受講検討はこちらから/
以下の記事では、私がおすすめする独学のための参考書をまとめています。
ぜひ、ご覧ください。
よくある質問
介護福祉士試験について、よく聞かれる質問を紹介します。
介護福祉士養成施設の卒業者には、卒業年度に応じた経過措置があります。
この経過措置では、一定期間、国家試験に合格しなくても介護福祉士として登録できる場合があります。
ただし、経過措置には期限があり、資格を継続するための条件も定められています。
また、養成施設卒業者に関する制度は見直しが進められているため、入学や受験を予定している方は、最新の情報を確認してください。
介護福祉士の資格を取得すると、資格手当が支給されたり、昇給につながったりする場合があります。
ただし、給与や資格手当の金額は勤務先によって異なります。
資格取得後にどのような待遇の変化があるか、勤務先の給与規程などを確認してみましょう。
また、介護福祉士の資格を取得することで、リーダー職などへのキャリアアップにつながる可能性もあります。
介護福祉士国家試験は、独学でも合格を目指すことができます。
ただし、国家試験を受験するためには、所定の受験資格を満たしている必要があります。
試験勉強では、まず過去問を解いて自分の得意科目と苦手科目を確認しましょう。
そのうえで、解説や参考書を使って知識を整理し、間違えた問題を繰り返し復習することが大切です。
このサイトでも過去問演習や学習記録、目標設定シートを利用できますので、日々の勉強に活用してください。
まとめ
今回は、介護福祉士国家試験の難易度について、合格基準や合格率、勉強時間など、さまざまな角度から解説しました。
- 介護福祉士国家試験の第38回合格率は70.1%
- 国家試験は筆記試験のみで、実技試験は廃止
- 合格には総得点だけでなく11試験科目群の得点も重要
- 第38回からパート別合格制度が導入された
- 受験資格を確認し、計画的に勉強を進めることが大切
介護福祉士国家試験は、合格率だけを見ると比較的挑戦しやすい試験に感じられるかもしれません。
しかし、出題範囲は広く、専門的な知識も求められるため、十分な試験対策が必要です。
大切なのは、現在の自分の実力を把握し、合格までの学習計画を立てることです。
このサイトでは、250時間を一つの目安として、過去問を中心とした学習方法を紹介しています。
自分に合った勉強方法を見つけ、少しずつ知識を積み重ねていきましょう。



